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2018年7月 4日 (水)

夢の現象学(147):夢を思い出そうとしているうちに一昨日の「フランス語圏発達心理学文献を原典で読む会」のことを思い出したの巻

■7月2日(月)。早朝、夢を見た。スケールの大きな物語が進行していたが、ほとんど思い出せない。なにやら着流し姿の江戸の侍がいたような憶えがある。侍は巨大な力を秘めているようだった。けれども、途中から「妥協」があったような。

 記憶の緒をたぐり寄せようとしているうちに、夢ではなく土曜日に早稲田であった、「フランス語圏発達心理学文献を原典で読む会」のことが思い出されてきた。
 その会での中心人物の加藤義信さんの配布資料「フランス語圏発達心理学をフランス語で学ぶ効用(と限界)」にあった、「今世紀初頭以来、日本の大学や研究機関で進行している事態は‥‥「制度化」と「国際化」の急速な進展として理解できる」という部分が、印象に残っている。
 「「制度化の進展とは?」
 ・多くの研究者が専門分化した共通の学会に組織され、
 ・共通の専門用語が教科書的に体系化され、それによっ「て互いのコミュニケーションが可能となり、
 ・問題意識とっ方法における研究パラダイムを他の研究者と共有して、
 ・そのパラダイムの範囲内での「累積科学」への貢献と見なされ得るデータを産出し、
 ・それを共通のフォーマットに則った論文にまとめて、
 ・専門の学術誌に発表することによってプライオリティを競い、
 ・そうした専門家集団を再生産する学位・資格制度が整備された体制。
 「国際化」の進展とは?
 ・こういう「制度化」が、英語を唯一の共用語としつつ地球規模で進むこと。」(加藤、2018、p.1)
 確かに、こういう風潮から見れば、加藤さんは自分でも言っているように、「辺境人」かもしれない。すると、私はどうなるのか。研究会冒頭、自己紹介を加藤さんの次にする破目になって、「加藤さんが辺境人なら自分は宿無しの放浪者だ」といったことを言ったのだったが。今から考えれば、自己規定としては「異世界人」とでも言っておけばよかったのだ。
■フランス中世文学に親しむの巻
 フランスついでだが、今日は図書館で『フランス中世文学集』の第2巻を借りだし、クレチャン・ド・トロワ作「荷車のランスロ」を(もちろん翻訳で)読み始めたが、めっぽう面白い。ランスロとは、英国版アーサー王物語に出てくるランスロットのこと。アーサー王物語の定本ともいえる、15世紀のマーロウ作「アーサー王の死」の最も主要な種本でもある。12世紀のクレチャン・ド・トロワの方は、ロマンス、つまり中世のロマン語で書かれた叙事詩の作者の中で最も有名な人物。いわば、吟遊詩人(トゥルヴァトーレ)の総元締めというところか。
 最近よく思うのだが、私の教養の原点は、10代に親しんだヨーロッパ近代文学にある。その中でも10代前半で特にお気に入りだったのが、ゲーテの「ミニヨンのうた」やノヴァーリスの「青い花」に代表されるロマン派の文学だった。そのロマン派の源流となった12世紀のロマンスの作者の中でも名前だけは憶えていた、クレチャン・ド・トロワの物語詩を、散文訳とはいえ手軽に読める日が来るとは思わなかった。
 まだまだ、読みたい物語、読まずに死んだら心残りだろう物語はいくらでもありそうだ。この本の中でも、同じ作者の聖杯物語が収められているし。
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