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2018年3月 5日 (月)

夢の現象学(141):高校時代のクラスメートの家を訪ねるの巻/オープンアクセスジャーナル『こころの科学とエピステモロジー』が創刊に向けて原稿募集中

■2018年3月4日。朝。氏原君の家を訪ねる夢。氏原君とは高校時代のクラスメートで、高1の時に学内同人誌に載せた小説が文芸誌の同人誌評に取り上げられて、同世代の中では抜群の才能と激賞された人物だ。私も当時読んだが、サルトルの「嘔吐」に雰囲気が似ていて、もっと気品のある文体で描かれた短編で、率直に凄いなと思わないではいられなかった。当時は、クラスの誰しもが、遠からず若き天才作家としてデビューすることと思っていたものだ。

 早稲田の仏文に進み、早稲田文学や他にも文芸誌に2、3作載ったことを、風の便りに聞いていたが、それからは消息を聞かなくなった。数年前に、ふと気になってネット検索してみたところ、仏文科出身の銀行家として国際的に活動しているとのことだった。

 その氏原君の現在の家を訪ねたのだった。平屋で、自家用の畑があった。奥さんもいたようだ。本人の顔は、半世紀以上前に知っていた顔とは違っていたが、夢の中では気にならなかった。何を話したかは憶えていないが、「非常勤で食っている」といったことを、本人の口から聞いたか、第三者視点てそういうことにして辻褄を合せようと思ったのか分からないが、記憶に残った。そのうち目が覚めた。
■抜群の才能と激賞された天分にもかかわらず、どうして作家として大成できなかったのだろうか。そもそも、同年生まれで作家になった例というのを聞いたことがない。1年下なら、津島祐子、金井美恵子、中上健次、といるのだが。
 この3人に共通するのは何か。二人は女性である。中上健次は高卒で紀州から上京した。東京のエリート層の出身である氏原君に比べれば、三人共いわば周縁人(マージナルパーソン)といえる。そう、ちょうど大学紛争の時代で、文学でもマージナルが持て囃されていたのだ。  
 そんな、文学を評価する尺度にも非文学的なイデオロギーが介入するような、集団主義的(collectivist)な風潮が猖獗を極めた時代だったのだ。特に彼の進学先など、革命的共産主義者同盟○□派のような、(『全体主義の起源』の著者ハンナ・アーレントの名がポピュラーになった今でこそおおっぴらにこう言えるが)コテコテの全体主義(totalitarian)集団が支配していたのだから。
 彼の文章で、集団主義への真底からの嫌悪が滲み出たものが印象に残っている。きっと、時代の逆風を鋭敏にも感じ取って、文学から、というより文壇とかジャーナリズムとかいう世界から、賢明にも身を遠ざけたのかもしれない。そんなことを、眼が覚めてから考えた。
 ちなみに、高校時代はそれほど親しかったわけではない。それ以前に、今でいう「学校カースト」を当時に当てはめれば最上層にいた彼は、最下層にいた私など話しかけるのも恐れ多い存在だったのだ。
●●●新感覚のオープンアクセスジャーナル『こころの科学とエピステモロジー』は、創刊に向けて原稿募集中です。詳しくは下記サイト参照
エピステモロジー (épistémologie)」はフランス語圏では、科学的知の批判検討を意味します。心理学を始め、精神医学、認知科学、脳神経科学、人工知能など、こころの科学と総称される領域全般に対して、批判的検討を加えることを主目的とします。詳しくは上記サイトよりダウンロードできる『創刊準備号』巻頭の「エディトリアル」を参照してください。
原著論文、研究企画、翻訳(以上は査読あり)、ブックレビュー、映像メディア時評、学会・研究会参加印象記、その他随想など幅広いジャンルの投稿を期待しています。投稿は無料です。詳しくは上記サイト中「Call for Papers」の「投稿・執筆規定」をご覧ください。

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