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2014年7月20日 (日)

夢の現象学(72):論文のタイトルを「他者になる夢」に最終的に決めるの巻

■紀要に出す予定の論文タイトルを「他者になる夢(前篇):夢の現象学ノート(1)」に決めた。

 「前篇」というのは、枚数50枚では収まりきれないから仕方がない。
 「序」のところだけ、抜粋しておこう。
 いくら「もし自分があの人だったら」と空想しても現実には他の誰にもなることはできない。ところが夢の中で私は、他の誰かになっていることがたまにある。夢世界においては自己と他者との関係性が、フッサール現象学でいう間主観性が、変容しているのだろうか。夢事例テクストの現象学的分析によってこの問題を解明するのが本篇の目標である。本篇はすでに開始されている一連の夢の現象学シリーズ(渡辺恒夫『人はなぜ夢を見るのか』化学同人、2010、参照)の一環なので、最初にシリーズ全体の基本的立場を簡潔に述べる。
 夢の深層心理学は夢の意味を夢でないものによって解釈し、夢の認知神経科学は夢を脳の機能によって説明しようとする。これに対して夢の現象学は、夢を現実世界と対等の「世界」として扱う。「私がこの現実世界に生き、泣いたり笑ったり‥‥するように、私は夢という世界に生き、同じように泣いたり笑ったり‥‥しているのである。ただし、まったく同じように、というわけではない。まったく同じだったら、夢と現実の区別はつかなくなってしまうだろう。何かがちがう。夢世界と現実世界とでは、異なる原理と法則が支配している。だから夢は、『異界』なのである。」(同、p.197-198)この、夢を「異界」にしている原理と法則とを、内側から観察して解明するのが夢の現象学である。夢の現象学の近い目標は、現実世界と比較することで夢世界の「原理と法則」とを、より適切にいえば夢世界の現象学的構造を、明らかにすることである。遠い目標は、夢世界と比較することで現実世界の現象学的構造を、より深く解明することである。第1章ではまず、これまでの研究によって明らかにされた、現実世界と異なる夢世界独自の基本的な現象学的構造を提示すると共に、自己と間主観性の現象学的構造が未解明であることを示す。第2章で本研究の方法論を述べ、3章以下で〈他の誰かになる夢〉事例を引用して具体的な解明を試みる。

+++【お願いェブサイトにも著作権があります!引用の際はこのウェブの著者名:渡辺恒夫を明記の上、このURL名も必ず併記して下さい。+++

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