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2012年12月28日 (金)

夢の現象学(55):人語をしゃべるチンパンジーの巻

■チンパンジーを抱きかかえていたら人語をしゃべるのだった。

 

 2012年12月23日(日)。長い夢を見た。最初の方はあまり覚えていない。いきさつはわからないが、小さくて愛らしい動物を抱きかかえていた。すると、友人がチンパンジーを抱きかかえてきた。そのチンパンジーは、「コンニチワ」とかしゃべるのだった。

 そのうち、私自身が、そのチンパンジーを抱いていた。人に会うと、「コンニチワ」としゃべる。もっと複雑なことも、口にする。人間と同じだ。私の理論では、チンパンジーには真の自己意識はないはずなのに、これでは、対等かもしれない、などと、かすかな敗北感を感じた。

 場所は、京成電鉄大久保駅前広場のようなところだった(現実には大久保駅前には広場はない)。チンパンジーが、「あそこにフィリピンの長嶋さんがいる」と指差す。長嶋という名には心当たりがあった。はるか昔、超心理学会という、今はやめた学会で会ったことのある、長嶋鋼典医師だ。するとあの長嶋さんが、フィリピンにいって、何か貢献して有名になったのかもしれない。それで記念かなんかでビルに看板が出ているのかもしれない‥‥

 近づいてみると、背景のビルには何もなく、その手前に大道芸人がいて、それが「長嶋さん」だとわかった。犬も一匹いた。チンパンジーが「コンニチハ」とあいさつした。芸人の男は、一瞥してただのチンパンジーではないと見抜いたらしく、こちらへ向き直った。犬が(チンパンジーだからと吠える様子もなく)、駆け寄ってきた。ここで、家族の呼び声で目が覚めた。

■校正中の本の中の説と、しゃべるチンパンジーとの不整合

 動物を抱きかかえるのは、一昨日、大久保通りの喫茶店で、店の犬を抱きかかえたからだろう。よくしゃべるチンパンジーに敗北感を覚えたのは、校正中の本(『フッサール心理学宣言』)の中で、「体験の同型性にもとづく人格同一性」という説を提起し、「発達性エポケー体験」の瞬間だけしか、真の意味での自己意識は存在しない、と書いたからだろう。夢の中では、しゃべるチンパンジーは、どうみても「真の自己意識」がありそうだったから。

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