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2012年3月 1日 (木)

独我論の現象学(8):物理的世界の理解と他者理解の根源的な相異の巻/「独我論の現象学」要旨のPDF版の巻

■物理的世界の理解と他者理解の根源的な相異

 現象学の解説書を見ると、物理的世界の理解(=客観世界の構成)と、他者理解(=間主観性の構成)とが、パラレルに描かれていることが多いが、両者は全く違った過程である。
  そもそも、物理的世界の認識には標準解があるが、他者認識には標準解が存在しない。ピアジェが描いたように、幼児は1歳半ごろにすでに、物理的世界の基本的理解に達する。それは同時に、自然科学的認識への探究の出発点ともなる。それに対して、他者認識に標準解が存在しないのはなぜだろうか。
  その理由は、他者理解に自己理解との等根源性を求めざるを得ないところにある。自己理解が浅い場合は、他者理解も浅くとも、問題は生じない。他者は、表情などの知覚を通じて、直接認識できるように思われる。
  けれども、自己理解には標準解はありえず、自己理解の過程は無限の階梯をなす。それと等根源性を求める限り、他者理解の段階にも無限の階梯を求めないではいられない。けれども、自己理解と異なり、他者理解の無限の階梯は、挫折しやすい過程である。そこに、独我論的体験の生じる余地がでてくる。

■科学基礎論学会に「独我論の現象学」を送付する

 6月の首都大学東京での科学基礎論学会年会用に、個人講演「独我論の現象学」の要旨を送付した。分析哲学中心の学会なので、反響はないだろうが、他に発表場所もない。
 ともあれ「phenomenology_of_solipsism.pdf」をダウンロード できるようにしておく。

++【お願い】ウェブサイトにも著作権があります。引用の場合は、「プロフィール」欄を参照して著者名を明記の上、このURLを必ず併記して下さい+++++

 

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