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2011年5月15日 (日)

夢の現象学(44):出眠時非合理思考の中で私が飛翔人である世界のことを考えていたの巻

■夢の中では聞き知らぬ名の飛翔人として生きていた。

5月15日(日)朝。夢の中では飛べることになっていた。超能力といったことではなく、名札ケースを首に下げる紐を、ヘリコプターのプロペラさながらブンブン振り回しながら、手足を広げてモモンガのように滑空するという、物理的に可能(?)な飛び方だった。

 その日、いつものように飛んでいたのだが、気がつくと地表スレスレまで高度が下がってしまい、高層団地群が行く手に立ち塞がっていた。何とか高度を上げて、団地群の稜線といったところへたどり着いて、羽を休めた。向こう側の街を見下ろすと、何かのフェスティバルでもやっているのか、かなりの賑わいだった。私は、また名札ケースの紐を振り回して飛び出した。

 すると、「オヤ、****だ」という声が、群集の中から上がった。「****」とは、私の名前だった(「渡辺恒夫」ではなく、目覚めてから思い出そうとしても記憶にとどまっていないような、聞き知らぬ名だった)。どうやら私は、飛翔人として少しは名が知れているらしかった。とていうことは、私の飛翔法も知られていて、もしかしたら研究されていて、その結果、私同様の飛翔人が他にも出現しているのかもしれない。そもそも、最初から、私は、自分で思い込んでいたようなオンリーワンの飛翔人ではなく、ワンオブゼムだったのだろうか‥‥。

■出眠時非合理思考は夢か現実か

 ‥‥そんなことをしきりに考えていた時にはすでに目が覚めてたようだ。そしてこの思考も、半覚半睡状態によくある非合理思考だったようだ。つまり、(こんな言葉あるかどうかは知らないが)出眠時非合理思考というわけだ。非合理とは、目が醒めていることにも気付かないまま、夢世界の設定が現実だと信じて、夢の中の問題を考えつつける、ということだ。だから夢世界が現実と言う前提なら、合理的思考、ということになる。

 ここで、この出眠時非合理思考が、本当に夢ではなく目覚めの状態だと言えるのだろうか、考えてみよう。それは、夢と言う「知覚的世界」はすでに終り、瞼の裏の暗闇に直面しながら考えていたと、憶えているからだ。ところがあるところでふと、思考の非合理さ(夢が現実であると言う前提の誤り)に気がつくのだ。

 夢と現実とは、二者択一式に一瞬にして切り替わるのではなく、現実に移行しても夢が現実であると言う信憑がしばらく残ると言う、グレンゾーンがあるらしい。夢が知覚的世界であるというのなら、知覚的世界としての夢には幕が下りているのだから、夢でなく目覚めの世界である。けれども、夢でのことが現実と思い込むという、夢の存在信憑が持続しているという意味でなら、まだ夢世界の中にいる‥‥というわけだ。

■どこかに実在している飛翔人の世界を覗き見するのが飛翔人の夢かもしれない

 飛翔人として生きる夢は、何度も繰り返されるテーマだ(「夢の現象学32」参照)。自分が飛翔人として生きる世界がどこかに存在し、それを覗き見した断片的な記憶が、夢の記憶ではないか、という気がしてくる。ただし、この想定も、夢の度に世界設定が(特に飛翔方法が)異なっている以上、成り立つかどうか怪しいのだが。

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