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2010年7月17日 (土)

夢の現象学(28):遍在転生説の実験のために頭のてっぺんを針で刺して死んだの巻

■夢の中で頭のてっぺんを太い針で刺して死ぬ実験をするの巻

2010年7月14日。夢をみた。頭のてっぺんに太い鋭い針を刺して死ぬという実験をする夢だった。

 自分でやったというより、誰かにやってもらったような気もする。突き立てても痛みはない。針先の進入した頭蓋骨の内部は空気が詰まっているだけのようにフワフワしていた(なぜか第三者的視点で内部を図解していた)。さらに下へ下へと針先を進めてゆけば、延髄に達して死ぬはずだった。

 数年前、三沢というプロレスラーがリングの上で頚椎離断で死んだ時のように、呼吸ができなくなって死ぬはずだった。

 確かに、呼吸が停止したらしい。私は死んだのだろうか。遍在転生の理論によれば、死んだ瞬間に、任意の誰かとして生まれるはずだった。すると、これは、誰かとして生まれた世界なのだろうか‥‥。

 私は周囲を見回した。私は果たして赤ん坊になっているのだろうか‥‥と思いながら。

 このあたりで、目を覚ましてしまった。そしてまた眠って、別のより長い夢を見たが、こちらはキーワードをメモしていなかったこともあって、思い出せない。かえって、二度寝する以前のこの夢の方が、「頭のてっぺんを太い針で刺して」とメモしただけあって、憶えている。

■この夢のバカバカしさに気づくの巻

 朝10時。出勤前のJR津田沼駅コーヒーショップにて。思い出して書きながら、ばかげた夢だということに段々と気づいてきた。そもそも、遍在転生とは、いかなる記憶の継承もなくして、成り立つのでなければならない筈だ。純粋に論理だけに基づいて導き出される死生観だから、こんな実験とは関係がない筈ではないか。

 ソウヤーの『エクスペリメント』というSFには、AL(人工生命)を殺害することで臨死体験の模擬実験をするという、話がある。また、蛭川立氏と、明晰夢の効用には、死のリハーサルがある、といったことをだいぶ前にしたことがある。エルヴェ・ドゥ・サン=ドニ侯爵も、明晰夢の能力を手に入れてから、塔の上から身を投げるという実験をしている(もっともこれはうまく行かなかったらしい。『人はなぜ夢をみるのか』(化学同人)の第1章参照。)夢の中での死の実験は魅力的なアイデアだが、やはり、遍在転生観とは関係がない。それは、目覚めている間はわかっている筈だが、夢の中では分からなくなってしまうらしい。

 想像力では、夢>覚醒だが、論理的思考力では覚醒>夢だ。あたりまえか。

*注記 遍在転生については、著書「<私の死>の謎」(ナカニシヤ出版)か「輪廻転生を考える」(講談社現代新書)を参照して下さい。

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