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2009年9月21日 (月)

夢の現象学(12):夢の中で「最大のアノマリー(変則事象)は自己である」というアイデアを得るの巻。夢の事象と現実の事象の意味的同一性の巻。現実世界を取り巻いて過去の世界や他者の世界や夢の世界といった様々な可能世界があるの巻

■夢の中で「宇宙最大のアノマリー(変則事象)は自己である」というアイデアを得るの巻。

2009年9月15日。夢を見た。Aさんとどこかへ行こうとしていた。あるいは、帰ろうとしていたのかもしれない。Aさんは、舟で行く、と言い出した。波止場のようなところで小型船を物色する。横倒しになったり裏返ったりした船が多い。なんでも、鉄製の小型船がよいとAさん。鉄の船が浮かぶのか、と心配になったが、大きな船だって鉄製だと思い返した。

 この辺、Aさんに、技術者的に有能な人物として信頼をおいていた(ちょうど、昨夜読んだ、ケナー作のサスペンス小説の中の軍人科学者マイクルのように)。

 夢の最後の辺りでは、11月のシンポジウムで何を話そうかと考えていた。トランスパーソナル心理学/精神医学会のシンポで、テーマもアレだから、アノマリー(変則事象)を題材にすればよい。私の立場からすれば、「最大のアノマリーは自己である」ということになるなア、と考えていた。そのうち、目覚まし時計が鳴って、目が醒めた。(朝9時20分頃。総武横須賀線にて)。

 「最大のアノマリーは自己である」‥‥これが、夢の中で得た洞察だ。まっこと、夢の中の思考は鋭い。

■夢の中と現実の事象の意味的同一性の巻。

 夢の登場人物は夢見者がその相手に現実世界の中で無意識的意識的に抱いているイメージの形象化である、というC.S.Hallの説の見本のような夢だった。付け加えるならば、Aさんとマイクルとが融合している。この融合に一役買っているのが、反環境主義という共通項だ。小説のマイクルに、Aさんを投影して読んだのだ。

 現象学的に考察しなおすならば、これは、ウスラー(『世界としての夢』)の、「透けて見えるような夢の意味」の、あるいは「夢世界と現実世界の意味的同一性」の例ではないか。{現実のAさん+小説のマイクル}/2=夢の中のAさん、という訳だ。

■現実世界を取り巻いて過去の世界や他者の世界や夢の世界といった様々な可能世界があるの巻

 ここで、あるアイデアが閃く。夢と現実とは、現象学的には独立した別個の世界だ。にもかかわらず、人物といった個々の事象の間に、意味的同一性がある。これは、「私の世界」と、他者Xの世界(=私がXであるような可能世界)が、独立した別個の世界であるにもかかわらず、その間に意味的同一性がある(らしい)ことと、同型ではないか?

 今日の私の世界(=渡辺恒夫が私であるような世界)がある。それを取り巻いて、様々な可能世界がある。過去の私の世界(これは想起の中にしか現実化しない)、他者の世界(=その他者が私であるような世界)、そして夢の世界。

 この中で、アクセス不可能なのは、他者の世界だけではない。過去の世界、夢の世界の殆どは、もはや想起できなくなっているという意味で、アクセク不可能なのだ。

 他者類推説の不合理を突き、他者を私の分身、私の創造物としたTheodor Lipps(1905)は正しかった。けれど、無からは何ものも創造されない。

 他者創造の源泉は、想起された過去の私である(フッサール『デカルト的省察』よりの示唆)。そして、夢の中で他人として生きた人生の記憶なのかもしれない。もちろん、夢の中で他者になれるためには、すでに他者が創造されていることが必要だ、と逆に考えることも可能だろうが。

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